〜 発表後記 〜
甲府城南病院 上田 菜緒
今回、全般的な認知機能の低下により多彩な症状がみられ、症状の分析やADL場面に対するアプローチに苦難した症例について発表させていただきました。
今回の症例検討会は、報告書としてまとめることで、自身の臨床を改めて見直す良い機会となりました。症状分析に重点を置いてしまい、ADL場面へのアプローチが出来なかった事は非常に痛感しています。今後は、患者様が安心して療養生活が送れるように多職種でさらに連携しながら関わっていきたいと思います。

また、今回の症例検討会では相手に分かりやすくプレゼンテーションすることや自分の意見だけを主張するのではなく、相手の意見も取り入れながら理解し、意見交換をすることも学ぶことができました。今回、学んだことを日々の臨床につなげていきたいと思います。
バイザーの角田先生をはじめ、諸先生方に多くのご指導・ご助言を頂きました。心より感謝申し上げます。
甲州リハビリテーション病院 神田 侑
今回、在宅生活を送る失語症の方への介入経過について発表させていただきました。
症例検討会を通じて、生活面へアプローチすることの難しさを痛感しました。生活を捉えるためには、機能・活動・参加・健康状態・個人因子・環境因子といった様々な視点の情報が必要不可欠であり、これらを十分配慮したうえで、適切な関わりが必要だと学ぶことができました。
また、家族指導を行いましたが、十分な理解には時間を要すると感じました。家族指導の際は、家族間でのコミュニケーションを適切に評価するだけでなく、家族に訓練へ同席して頂き、STが行う援助方法を直接見てもらうといった工夫も必要であったと反省しました。

多くの失語症の方は、日常生活を送るうえで何らかのバリアと直面していることを今回の介入を通して感じました。学んだことを糧として、様々な視点から利用者の生活を捉え、機能面だけでなく生活の拡大にも貢献できるよう精進していきたいと思います
症例報告書の作成にあたり、快く協力してくださった症例様・ご家族様と、多くのご指導・ご助言をいただいたバイザーのしらゆり訪問看護ステーション 藤巻 千春先生をはじめ、諸先生方に心より感謝を申し上げます。